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うみねこ制作秘話

『うみねこのなく頃に』を作った男たちEpisode 3

恒例となったこのコ一ナー。まさかの碑文解読、鞍々の新キャラクタ一、そしてアニメ化や「Ep4″の話まで、気になる情報が盛りだくさん。07th Expansionの方々にイン夕ビューを行いました。要熟読!

制作よもやま話と本来の『Ep3』

『うみねこのなく頃にEpisode 3(以下、『Ep3』)の制作を結えられてのご感想は?

竜騎士07:色々苦労したはずなんだけど、あまり思い出せないですね(笑)。作品の苦労より、健康管理の苦労の方が印象深い。

BT:健康的な修羅場でしたね。

当初の予定から、進行スケジュールがずれたとお聞きとていますが。

竜騎士07:ずれたというか、納期が前倒しだったんです。普段の1.5倍ぐらい早かったのかな?作業における問題は、いつもと違う季節感。これが最大の難敵でした。普段の夏コミなら、暑くなった頃にセミの鳴き声を聞きつつ、汗を流しながら作業していたんですよ。ところが今回は4月くらいからやってたから、夏とは思えず危機感が湧かなかった。しかも、『Ep2』が終わってから残務に忙殺されていたせいもあって、ずっと泊り込みの状態だったんです。このままでは『Ep3』や『Ep4』が押せ押せになって、『Ep5』までたどり着けなくなるとわかって、急いで仕事するようになりましたけど。それでも結果的にはマスターアップの予定日から、2~3週間くらし、完成が遅れましたね(笑)。

シナリオの執筆で苦労された点は?

竜騎士07:シナリオライターとしてだけの立場から言えば『Ep3』は楽でした。時間があったから、演出もかなり作りこめた。『Ep2』のときと比べると、平均執筆速度が1日約10000文字だったのが、『Ep3』では5000~6000文字程度でしたからね。

なるほど。そうして作り込まれた『Ep3』ですが、ユーザーからの反応はいかがですか?

BT:(ユーザ一の)コメント量が凄かったです。

竜騎士07:おかげさまで凄く好評で(笑)。『うみねこ』では『ひぐらし』以上にユーザーとのキャッチボールというか、世間の評価を見てベアトリーチェが手を変えるインタラクティブ性を意識して取り入れているんです。『Ep2』で「難易度が高すぎる」という声があがっていたので、ならば今回難易度を下げるのもまたインタラクティブ性だなと思って。

ユーザーとチェスをしている感覚ですね。

竜騎士07:その通りです。だからベア卜リ一チ工も戦人も、『Ep2』でユーザーから出た意見をゲーム中で多く語っている。現在『Ep3』に対する推理や、色々なツッコミが出てきているので、それらをいくつかピックアップして、次回『Ep4』の戦人が主張していくものと思われます。そうすると結果的に、ベァ卜が迎え撃たなければならなくなります。つまり、ベァ卜がネットの代表的な推理に受けて立たなきゃいけないということなんです。だから『うみねこ』を完結してから読むとその時々のリアルタイムな空気感がわからなくてもったいない。

確かにそうですね。ユーザーの推理についてですが、碑文の謎を完全に読み解いてる人はいましたか?

竜騎士07:それは何とも‥‥‥(笑)。部分部分で見てみれば当たっていたり、面白い解釈をしているな、と思う人はいますよ。

BT:今回、ヒントが多いので、部分部分で正解を導き出している人も多いと思います。

竜騎士07:ただ、ゲーム的に解けるように作ってある反面、連載ものなので、バレてほしくないという本音もあります(笑)。

BT:ありますね(笑)。

竜騎士07:このさじ加減が難しいんですよね。だって約8話作るとしたら、4年間は連載するわけじゃないですか。それが、最初の1年でもうほとんど看破されてしまったら、連載にならない。だから、バレないような話をデザインする点で相当苦労していますね。

今回のさじ加減はどの程度或功したという実感を持っていますか?

竜騎士07:今の所は大成功。『うみねこ』での失敗は、『Ep2』で予想以上に脱落者が出てしまったことのみですね。

今回プレイしていて、解答編を読んでいるような印象を受けました。

竜騎士07:そうですね。正直言うと、今回の話は本来『Ep6』でやる予定だったんです。それが『Ep2』で難易度を上げたら、悲鳴を上げたユーザーが多かったので、順番を変えました。『Ep3』の本当のタイトルは「Land of the Golden Witch」でしたが、それをすべてボツにして、ゼロから書き直したのが今回の「Banquet of the Golden Witch」。

「Land of the Golden Witch」は、どんなお話だったのでしょうか?

竜騎士07:圧倒的に最悪な感じです(笑)。「Ep2」どころの話じゃないレベルでした。

前回のインタビユーは、ファンタジーとミステリーのバランスを取リたいとあっしゃっていましたよね?

竜騎士07:人間寄リの話だから、もっと酷い、残虐な話になる予定だったんです。

エヴァ・ベアトリーチェの所業も、十分酷い気がしますが……。

竜騎士07:あれはかなりマイルドですよ(笑)。「Land of the Golden Witch」でやろうとしたことに比べたら、全然マイルド。

「Land of the Golden Witch」は、これから出される予定はあるのでしょうか?

竜騎士07:わかりません。私のモチベーションと体力が続いていたら、『うみねこ』が完結た後で、ボーナストラックのような形で作るかもしれない。事件の真相がわかっているにも関わらず、もう1回謎が出てきたら面白いかもしれませんね。

難しいのを最後に持ってくるんですね。

竜騎士07:そうですね。でもその難しいエピソードが『Ep3』あたりで出てくる予定だったということだけは覚えてあいて頂きたいです。

はい(笑)。ところで『うみねこ』の真実は、現段階でどれくらい出ているのでしょうか?

竜騎士07:10%か、20%くらいかな。「シュレディンガーの猫箱」の話は、本当はまだ出したくなかったんです。世界が複数ある可能性に気づいて欲しかったんですよね。観測者がいない世界では、異なる解答が同時期に存在し得るという……。それでも『Ep3』では最後に凶悪な謎を残しましたが。

BT:『Ep3』は、ガイドライン的な説明をかなりしっかり入れましたね。

竜騎士07:本当はそのあたりを伏せたままで、探っていくようにしたかったんですけどね。ただ、『Ep3』が出た後の評価を見てみると、ようやく『うみねこ』の世界の見方がわかった、って人が多いんですよ。だからやっぱり、補足して正解だったと思います。

BT:掲示板もかなり活性化しましたしね。

R07:『Ep2』の発売当初は、推理がわずかだったからなあ(笑)。

正直に言うと、思考が停止しました (笑)。

竜騎士07:そんな人が多かったようですね。

なので、ゲ一ムレベルの調整を決めました。

エンターテインメントとして提供するためでしょうか?

BT:そうですね。

竜騎士07:『Ep3』を再デザインする上で、ユーザーに優しいサポートキャラを大勢増やしました。なんてあまり言ってると、「お前がそこまで威張る、本当の『Ep3』って何だよ!?」って、言われるでしょうけど(笑)。

一同: (笑)。

ところで今回、コミケ采場者限定で特典冊子(※1)を配られましたが、これにはどのような思いが?

竜騎士07:ショップさんは今、ゲームに素敵なオマケをたくさんつけられてるじゃないですか。ところが、うちはつけていない。今は通販で予約できるし、コミケに来なくてもく(ゲームが)手に入る時代なんですよ。それなのに暑い中並んで、うちに来てくれる熱心な人たちに、申し訳ないと思っていたんです。

感謝の印としいうことですね。内容的にTipsのー種と考えても良いのでしょうか?

竜騎士07::そうですね。入手できない方のことも考慮して、読まなくても推理に影響がないようにはしています。あれにはベルンカステルの考察する「ルール」が書いてありますが、あくまで彼女独自の考えですしね。

新キャラクターは初めから”い”た存在?

今回、新キャラクターがかなり出てきますが、その意図するところは?

竜騎士07:トータル的な意図からいうと、クローズドサークル(※2)ヘの挑戦です。クローズドサークルって、登場人物が固定されたら絶対増えないじゃないですか。それが『うみねこ』では、毎回新キャラが出てくる。アンチ・ミステリーの一環ですね。

人数といえば、“六軒島にいる人間は18人”と言い切られていましたね。

竜騎士07:そこは遊び心です。“孤島で嵐の中の洋館ミステリーのふりをして、なぜ新キャラが出てくるんだ?”ってこと自体が、ある

種の遊びや挑戦なんだと思って頂けると嬉しいです。

ワルギりアの登場は、難易度をコントロールする上で必然だったのでしょうか?

竜騎士07:いえ、当初の「Land of the Golden Witch」では、全然違う位置づけのキャ

ラだった。名前もワルギリアじゃなく、ウェルギリウスだったんです。

どんな位置づけだったのでしようか?

竜騎士07:「Land of the Golden Witch」を発表する可能性があるかもしれないから、詳しくは言えせんが……。確か、当初は今のワルギリアとは似ても似つかない風貌。男だったこともあって、設定が迷走していました。結局「Banquet of the Golden Witch」に作り直したときに、お助け役として名前だけ持ってきた、という感じですね。

ワルギリアから姶まったベアトリーチェという名前を受け継いでいく制度は新鮮でした。

竜騎士07:”ベアトリーチェは継承される”という考えですね。不思議ですね。どういう意味なんでしょう。それはあと1年か2年したらということで(笑)。

(笑)ワルギリアに話を戻すと、登場シーンで驚いた人は多いと思います。

竜騎士07:あそこは絶対笑うところです(笑)。

八咫桜:私の中では某巨大掲示板でよく描かれる、「あ……ありのまま、今起こったことを話すぜ!」って絵が浮かんだな(笑)。

あの演出は、『Ep3』制作当初から決められていたんですか?

竜騎士07:もちろん。演出は毎回事前に用意しています。

魔法バトルについても?

竜騎士07:ええ。第一の晩はおおむね物語の折り返し地点じゃないですか。なので、つかみのある大きなイべントを入れたかった。

つかみとしては大きかったですよね。

竜騎士07:嘉音がブレードを伸ばして戦うのは『Ep2』で終わったし。またこの始まり方か……と思っていたら、まさかの熊沢が!みたいな。そういう二段構えの演出を、狙ってやっていますね。あと魔法バトルの流れは、チェスと同じになっているんですよ。チェスに出てくるチェックメイトの再現ばかりなので、「こいつらチェスで戦ってるんだ」と解釈してもらうのも1つの楽しみ方でしよう。

チェスについて、もう少し具体的に説明をお願いできますか?

竜騎士07:例えば、最初にベアトリーチエが塔を両肩に呼び出したのは、“キングの両サイドにルークがいたら?”という状況の再現です。非常に強カな攻撃ができるけど、キングは正面ががら空きじゃないですか。だから正面にルークかクイーンを置かれたら、それだけでチエックメイトが成立するわけです。つまり“両肩に塔を置いたら逃げ道がない”ということ。他にも、巨人兵と「戦と死の神」のシ一ンは、ポーンが1列に並んでるときに、後ろの列をルークとナイトで抑えられたらチエックメイトになることを表しています。

そうだったんですか……。ところでワルギりア最後裏切りますが、今までずっと味方してくれていただけに、信じたくない気持ちになりました。

竜騎士07:私も次回から、ワルギリアと戦人の関係が険悪になるんじゃないかと不安なんですよ(笑)。さすがに戦人も人間不信になっていますし、『Ep4』では相当ふてくされているんじゃないかと……。

(笑)。ユーザーの中には、「ワルギリアはべアトリーチエの仲間だから信じるな」と意見する人が多かったです。

竜騎士07:そこは人によりますね。最後だけは幻想とか。劇中の描写が正しいとは限らないので、そこはぜひみなさんに考えてもらいたいです。

はい。次にワルギリアと並んで、出番の多かったロノウェですが。

竜騎士07:ロノウェも、ワルギリアとは別の角度からのサポートキャラクターです。サポー卜キャラクター兼ベアトリーチェの話し相手。ワルギリアが女だから男ってわけじゃないんだけど、執事っていい響きですよね。メイドは紗音がいるから、もう1人いてもお腹いっぱいだし(笑)。

ロノウェ含め、どの新キャラクターも平均的に人気がありますよね。

竜騎士07:今回魔法勢の新キャラクターは、男女とも比較的評価が高いですね。ただ評価が分かれるのは、シエスタ姉妹。45派か410派で揉める‥‥‥(笑)。

(笑)。シエスタ姉妹に関しては、作品の企画当初から考えてし、たのでしようか?

竜騎士07:シエスタという名前自体はなくても、想定していた枠内には入っていた感じです。『ひぐらし』でいえば、「梨花ちゃんを探る刑事がやってくる」という設定は決まっていても、赤坂衛という名前が決まっていなかったのと同じです。そういう意味で言うと、どんなキャラクターにもポジションは最初からありますね。

そういったキャラクター鱒の役割や「ルール」は緻密に固のた上で、(『うみねこ』の)制作を姶められたのでしようか?

竜騎士07:そうです。名前やビジュアル、話し方や性格などの演出部分は決まっていないことが多いですけどね。だから、例えばシエスタ姉妹の登場が仮に予定されていたとしても、この喋り方になることまでは想定してなかったかもしれない。

シエスタ410口癖を、『二ヒ』に決めた理由は?

竜騎士07:人を食ってバカにして、殺意がわくようなキャラにしようかと(笑)。

シエスタ45は真面目な感じですね。

竜騎士07:そうですね。普通にギャルゲーのヒロインみたい(笑)。『うみねこ』世界の人間勢に比べたらありえない髪型、ありえない性格、ありえない服。ありえない性格……ってことはないか。人間勢にも十分ありえない人がいっぱいいるから。

次に今回のおいしい役どころ、エヴァ・ベアトリーチェに関してですが。

竜騎士07:今回のキーキゃラクターの1人ですね。シナリオ全体を読めばわかる通り、引き立て役になることが運命づけられていたので、気合を入れて悪役にしました(笑)。

BT:表情がベアトリーチェと同じくらい多いんです。

竜騎士07:よく巷で「顔芸」と言われるポテンシャルに関しては、ベアトリーチェを上回る。彼女が繰り返し口にする「ヘソ噛んで死んじゃえば」というのも、かなり特徴的な言い回しですね。エヴァ・ベアトリーチェがどれだけむかつくキャラクターになるかどうかが、作品の出来を決めたので、キャラクター作りには苦心しました。

意図的に悪役にしているんですね。

竜騎士07:そうですね。『ひぐらし』の小此木みたいな位置づけですね。エヴァ・ベアトリーチェが嫌われるように振る舞うほど、結果的にメインヒロインのベアトリーチェが引き立つ。助演女優賞みたいな位置づけでず。

彼女は今後も登場するのでしようか?

竜騎士07:断言はできません。ちらほらと登場することはあるかもしれませんが。

それでは、縁寿に関するお話を。

竜騎士07:縁寿は『うみねこ』世界の最後に登場する人間かな。今はそれ以上言えないですが、『Ep4』で活躍してくれます。

既存キャラクターの変化や新事実について

ベアトリーチェの生い立ちなとが、今回から少しずつ明らかになってきましたね。

竜騎士07:そうですね。『うみねこ』の物語を知ることは、ベアトリーチェが何者なのかを知る旅になるでしょう。彼女の残酷さ以外の面も見えるようになってきましたが、一体何なんでしょうね(笑)。

それはこちらが知りたいです(笑)。シリーズが進む中で、明らかになる予定は?

竜騎士07:(ベアトリーチェの)情報量は増えていくと思います。

泡にも、今回は大人勢が健闘していますよね。

竜騎士07:今まで第一の晩で脱落する人が多かったけど、今回はごっそり生き残って、碑文の謎解きをしていた。いつもと違う化学反応が起きる、2日目をやってみたかったんです。

大人が生き残るのは、ベアトリーチェにとっては厳しい展開だと前回おっしゃられていましたね。

竜騎士07:そうですね。今回はご存知の通り、大人が生き残ってしまったら色々な対策を打たれたり、碑文の謎が解かれたり(笑)。普段だったら1丁しか出てこない銃が一気に4丁も出てきちゃったし、大人が生き残るとベアトリーチェにとってはやりにくいんですよ。

霧江の強さに驚かされました。

竜騎士07:強かったですね。これは霧江に限らず、私がものを描くときのスタンスとして、人間は年齢相応に強い、というのがあるんです。魔王がティーンエイジャーとばっかり戦ってるのはおかしいんですよね(笑)。13歳や14歳の子供が魔王と戦えるなら、24歳や35歳の大人はもっと狡猾だと思う。魔王との戦いどころか、戦後まで見込んでますよね。それどころか、「魔王を倒すことが果たして政治的に有効かどうか」とか考えるかもしれません。だから、私は人間力というのは年齢と共に向上すると思っています。若者は怖いもの知らずで体力があるから、その分元気で目立つ。だから逆に、中年や壮年にできないことができるという特殊性も理解してる。だけど私は、だからって年齢に比例して弱くなっていくという世界が嫌いなんです。大人はしっかり強いように描きたい。霧江や留弗夫は決して弱い存在ではないんです。

鏺江なんかは、内面的な強さが濃く描かれていましたね.。「18年間、嫉妬で狂った女の気持ちをわかるか!?」って。

竜騎士07:その辺は、大人をなめるなという意思表示があるんです。

BT:郷田はあんなに弱いのに……(笑)。

一同:(笑)。

竜騎士07:あれはそういう役だから(笑)。『ひぐらし』で、「富竹さんは生き残らないんですか?」って言われるようなもんだよね。

実際は、富竹強かったですもんね。

竜騎士07:だから郷田も、生きれば生きてたで面白いキャラクターで、死ねば死んだでネタになりそう。最近、私の中では郷田が見過ごせなくなってきたんですよ(笑)。昔は譲治の方が面白いと思ったんだけど、最近、郷田の方に光るものが見えてきて。何かこう、無視できない脇役っていうか。これで実は黒幕だったりしたら笑えますね(笑)。

『Ep2』に続き、出番にテコ人れが?

一同:(笑)。

手から剣を出したら本物ですよね。

竜騎士07:いやあ普通に出させますよ。郷田ブレード(笑)。

ぜひ見たい(笑)。次は絵羽と楼座について。彼女らは碑文の謎を解いてしまうわけですが、なぜ2入に設定したのでしようか?

竜騎士07:これは苦しいな。ちょっと説明しづらいですね。

では別な質問を(笑)。碑文の謎を男性が解いた場合にも魔女になるんでしょうか?

竜騎士07:それは魔女という言葉がいけないんです。よく知られていますが、魔法使いは男でも女でも(英訳で)ウイッチなんですよ。それを日本人が翻訳したときに、魔女と書いてしまったんですよね。とりあえず男が碑文を解いた場合でも結果は同じで、黄金の魔女ならぬ魔術師になれます。

ちなみに今回、子供勢の出番が少なかったのは、大人を目立たせたいという理由からなのでしようか?

竜騎士07:出番が少なかったのではなく、子供ばかり出番を増やしたら大人が生き延びられない。私は18人全員が活躍する話は決して書きません。それをすると、誰にスポットライトが当たっているかわからない。今回は、出番の少ない人でも立ち絵を出したいという意向があったんですよ。『ひぐらし』の頃、話に深く関わるのに立ち絵がないキャラクターが結構いて、それを後悔していて。だから『うみねこ』では、極力立ち絵を出すように努力しています。でもそれが裏目に出て「立ち絵があるからには活躍するはずだ」という誤解が生じて少し困っていますが。

そうだったんですか。ラムダデルタやベルンカステルについては?

竜騎士07:彼女らはどういう関係で何者なのか、これから明かされます。ベルンカステルは表情を増やしたいんですが、目しか動かない表情の差分だけで、どこまで回せるか、ということに挑戦していたりします(笑)。

魔女の侵食によって事件や謎な変化する

今回まだ3作目で、出題編にも関わらず(絵羽たちに)碑文の謎を結かせたのはなぜでしようか?

竜騎士07:制作側のメッせージとして、碑文は解けるらしいということを、ユーザーにアピールしたかったというのがあります。あと碑文に対するヒン卜を、そろそろこの辺でいくつか出しておこうかなと。『Ep1』は舞台紹介など(『うみねこ』の)オープニングみたいなもので、『Ep2』では見立て殺人とフアンタジーがテーマだつた。だから『Ep3『では碑文の話、つまり、リアルに存在する黄金の話。そういう意味では『Ep3』は、現実の世界に則したことが多めになっています。『Ep2』だけ見たら、碑文なんて単なる見立て殺人の順番でしかないですよね。それが『Ep3』では現実寄りの解釈で、黄金につながる暗号という感じになっています。

では、未知の19人目を否定した理由ば?

竜騎士07:戦人が劇中で言っている通りなんですけど、島に誰か隠れてると考えたら何でも説明できちゃうじゃないですか。だからこの島に想定外の19人目はいない。『Ep3』までの推理を見てきた上で、ここに釘を刺さないと話が進まないと考えたんです。

ユーザーの推理な、いつまでもそこな突いてきて堂々巡りになってしまいなすしね。

竜騎士07:というより、ユーザーたちの指摘があったので可能性を塞ぎました。

魔女は19人目にらなし甦碍でしようか?

竜騎士07:魔女は人間ではないので……。

確かに、魔女側には煉獄の七姉妹とかもいますしね。

竜騎士07:魔女を信じないなら、そこに魔女は含まない。ファンタジー勢を誰も人数に入れないってことですからね。「魔女は人数に入るんですか?」という質問自体が、「あなたは魔女を人数に入れたいですか?」という質問にそのまま入れ替わる。魔女がいると思う人は人数に入れる、魔女がいないと思う人は入れなければいいでしょう。

『Ep1』や『Ep2』と違い、銃が複数登場したり、メタ世界の戦人、がファンタジー現象をはっきり目撃するようになっています。ここにはどんな意図があるのでしょうか?

竜騎士07:銃が複数登場するというのは、ユーザーに対する奇襲ですね。『Ep1』と『Ep2』が終わった後に、「次は誰が銃を持つんだろう」という議論があったんです。夏妃が持ったら夏妃がキーキャラクターになった。楼座が持ったら楼座がキーキャラクターになった。じゃあ次は霧江だろう、絵羽だろうと。銃を持つのがキーキャラクターに違いない、ということになっていたんですよね。だからそれを裏切るために、複数に銃を持たせてみました(笑)。メタ世界の戦人がファンタジーを目撃するようになったというのは、『うみねこ』世界のアンチファンタジーVSアンチミステリーという構造を説明する上で、戦人がファンタジーを否定し、議論するために必要だったからです。

『Ep2』では、「ファンタジー描写なメタ世界の戦人が見ていないから嘘なのでは?」というツッコミがありましなが、それは今回の変化に関係ありますか?

竜騎士07:それもきっかけの1つです。ただ『Ep2』発売当初、多くの人はその推理にまで至れなかったんですよ。数人がネット上で推理を公開して、それを見た人が「言われてみればそうだ」と、発売から6カ月くらい経ってやっとそれを共有しただけで。今では、まるでそれが当然だといった雰囲気がありますけどね。

確かにそうかもしれなせん。ちなみに今回、屋敷ではなくゲストハウスがメインの舞台になっていますが、これはなぜでしょうか?

竜騎士07:演出上の都合です。いつも客間だけで話が進んでるせいか、雰囲気が面白くないので変えてみました。

狭くなったことで、キャラクターに行動制限がかかったりしていましたね。

竜騎士07:そう。大きな屋敷の中だと、ちょっと目を離した隙に外へ、廊下へ、お手洗いへ……と出た際のアリバイを立証できないじゃないですか。その点、ゲストハウスは規模が小さいので建物単位で密室にできるんです。そのおかげで後半、譲治がいなくなったとか蔵臼夫妻がいなくなったあたりで、ロジックが非常に組み立てやすくなるんですよ。孤島の洋館ミステリーを作るのに、何が最も難しいかといえば、第1の殺人が発生したあとに必ず起きる篭城を、毎回バリエーシヨン見せながら崩すのが難しい。小説とかだと大抵、「俺は殺人者なんかと一緒にいられないから、部屋に帰らせてもらうぜ」ってバラバラになるんですよ。もはゃテンプレート化されたギャグなんですよね。だから今回、それもなるベく避けた。でも、篭城を崩すのって辛いですよ。だって人間の行動理念を考えたら、全員同じ部屋で集まって相互監視ずる方が、安全だとわかっているんですから。

劇中でも、ベアトリーチェが篭城を崩す難しさを説いていなしたね。

竜騎士07:そうですね。我孫子武丸(※3)先生とまたお会いする機会があったら、「篭城を崩すのは大変じゃないですか?」と聞いてみようと思います。納得できる自然な流れで篭城が分解するロジックを作るのは、密室殺人のアイデアを出すより大変なんです。

そうなんですか?

竜騎士07:だって、皆同じ場所に集まワてるんですよ?その中から、第2の晩に2人死んで、更に5人が杭を刺されて死んで……。犯人も、皆が見ている所では犯行を起こせないじゃないですか。皆がそれぞれバラバラになって、いつの間にか誰かが運絡つかなくなって、探してみたら死んでいた……っていうのが、殺人事件の作法なんですよ。そのためには、集まった人間を一度解散して、それぞれのアリバイを消さなきゃならない。『Ep2』では、皿洗いに行った人たちの篭城が崩れた。『Ep3』の場合は、1階と2階に別れて部屋に篭っていたけど、留弟夫たちが屋敷に行って篭城が崩れた。

あれは大きなきっかけですよね。

BT:正確には、楼座と真里亞が原因です。

竜騎士07:あれも苦しかった。

そういえば今回、『Ep1』と『Ep2』で篭城を崩す原因になった魔女の手紙が、ほとんど登場していませんが。

竜騎士07:勘の良い人たちは、「『Ep3』で手紙が途絶えるのは、『Ep1』で魔女のメッせンジゃーだと自己紹介していた真里亞が死亡したからだろう」と推理しているようですね。面白い見解だと思います。

他にも今回は、『Ep1』と『Ep2』と違い、殺人シーンを(ファンタジー演出で)全部プレイゃーに見せるようになっていますね。

竜騎士07:これは、魔女の侵食度が上がってるんですよ。『Ep3』でロノウェが現れるときにベアトに言っていますが、ベアトの力が増すにつれ、六軒島はどんどんファンタジー寄りになる。ということは、ファンタジーな演出も起こしやすくなるんですよ。その証拠に、『Ep1』ではファンタジーなことはほとんどなかった。それが『Ep2』でおかしなことが起こり始めて、『Ep3』ではもっとおかしなことが起きている。実は(『Ep3』の)最初のジャケットには、「孤島の連続殺人事件は、次第に魔女幻想に侵食されていく」と書いていたんですよ。だから、今回の殺しが全部ファンタジーで描かれたというのは、もうベアトリーチェの支配力がそこまで及んでいる証拠なんですよ。

『Ep4』では、より壮絶に‥‥‥?

竜騎士07:詳しくはお答えできませんが、そこで縁寿の登場ですよ。また、戦人もファンタジー演出をどれだけ乱発しても、それを鵜呑みにしないという姿勢でいる。これ以上六軒島がどんなに侵食されても、戦人はそんなに影響を受けないでしようね。信頼できる情報がほとんどなくなってきているから。

戦人の否定する力が、魔法防御力に比例していたりするのて餐しょうか?

竜騎士07:そうだとはっきり言い切れます。否定する力が強ければ、魔法防御力も高くなりえます。魔法を信じる力は、すなわち魔法防御力の低さでもある。魔法を信じる人は、魔法の効果をより強く受けるでしょうね。

魔法の全否定は可能なのでしようか?

竜騎士07:それに走ると、私がこの目で見ている光景だって真実かどうかわからなくなりますよ。最後には何も真実がなくなって、自分すらも消えてしまう。‥‥‥哲学みたいだ(笑)。

(笑)。続いて、『Ep3』は『うみねこ』シリーズにおいてどのような役割を果たしているのでしょうか,

竜騎士07:『Ep2』でファンタジー寄りだった秤を、『Ep3』では人間の側に戻しました。今はちょうど中間の状態ですね。続く『Ep4』ではこの秤をもっと鎮めて静止させ、最終的には「はい、釣り合いました」という風にしたいと思っています。だから『Ep3』は『Ep2』の反対側と位置づけて良いんじゃないですか。話が「Land of the golden witch」のままだったら、もっとファンタジーに傾いていたでしょう。

そうでしょうね(笑)。続いての謎ですが、戦人の殺人犯を絵羽と明言した埋由は?

竜騎士07:なぜでしよう(笑)。戦人が死ぬ直前に見たものなので、現実と信じても良さそうな気はしますけどね。銃を手で撃つという、ファンタジーと無関係な描写で殺されているので、情報の信憑性はかなり高いと思うんです。

では、南條殺しの犯人を最後の謎にしたのはなぜでしょうか?

竜騎士07:あれはお土産です。これが解けないなら、魔女を認めざるを得ないんじゃないかな。でも、今回は誘導灯をかなり丁寧につけたので屈しないで下さい。

BT:ガイドラインが結構あるので、「これは解けるんじゃないか」と挑まれてる方が多い印象はありますよね。

赤文字ではっきり明確に、「目の前で突き殺したjとありますからね。

竜騎士07:それでも赤文字に隙があるみたいで、色々な方々がそれぞれの方法で抜けてきます。次回はそれもバサバサ刈り取りますよ(笑)。

ユーザーの推理を結構意識されているんですね。

竜騎士07:もちろん。代表的な推理もいくつか、私なりの方法で抽出してます。ネット系だと、個人が書くブログをかなりチェックしてますね。

南條殺しの謎を完全に解明していた人はいましたか?

竜騎士07:私の想定していた方法で推理してきた人は、何人かいます。逆に、想定していない方法で抜けてきた人も何人かいますね。『Ep2』と『Ep3』の謎の解き方ですが、実は正解の鍵穴1個を開けるょうに言っているわけじゃないんですよ。赤文字の障害物があるから、「これを回避してゴールに行けばいい」としか言ってないんですよね。だから正解にたどり着くためのルー卜は、ベア卜が配置した赤文字の障害物を回避できるなら何でもいいはずなんです。つまり解法は複数あるベきで、そういう意味だと正解者はいますよ。ただ、べア卜の出題の仕方って「正解は何?」ではなくて、「この赤文字を回避する説を考えてみよう」ですからね。皆さん、戦人やべアトにも負けない屁理屈をうまく出してきて面白いですよ。それを否定して絶望を味わわせる(笑)。

魔法を1つ1つ否定して、その結果、南條殺しにたどり羞くんですね。

竜騎士07:そうですね。

BT:『Ep1』や『Ep2』のときに比べると、更に具体的な推理が多くなりました。南條殺しの具体的な推理が公式掲示板にも出てきていて、見てて非常に面白いです。

あの名シーンは曲から生み出される!?

(daiさんに)今回、音楽に関してどのような発注があったのでしようか?

dai:音楽家全員が見られる掲示板がありまして、そこに竜騎士07さんが『Ep3』のイメージを投下して下さいました。

そのイメージとは?

BT:「Banquet of the golden witch」というタイ卜ル通り、宴のようなイメージということでしたよね。

Dai:はい。他には各キャラクターの名前や性格、立ち位置などが書いてありましたね。他には、北風と太陽の話なども入っていました。でも話の流れは抽象的になっていて、音楽のイメージを各自膨らませて下さい、とのことでした。

なるほど。そうして送られてきた曲を聴くことで、(ゲームの)シーンが作らることはあるのでしようか?

竜騎士07:あります。シーンに合う曲を探して聴き、そこから世界を膨らませることは往々にしてありますね。執筆時には音楽は欠かせません。逆に執筆していて、既存の曲ではどうにもならないときには、daiさんにヘルプをお願いしました。

dai:(依頼が)ありましたね。

竜騎士07:多くの場合、daiさんには曲を好きに作ってもらっているんです。「こんなの作りましたけど使えなかったらいお`です」なんてのが、クリティカルだったりする。

dai: 予想外の使い方をして頂いていると、嬉しいですね。

竜騎士07:音楽家さんには`「こういうっもりで作ったのに、こんなところで使われるの?」という人が多いと思います。例えば、「白日夢の果て」のような美しい賛美歌が、まさか蔵臼を絞って血を抜くシーン(※4)に使われるとは夢にも思わないだろうし。

dai:ギゃップがすごいですよね。

ある意味、クリエイタ一同士の化かし合いですね。

竜騎士07:そうですね。最初から「人を拷問で殺すときの賛美歌作って下さい」という注文を出してしまったら、やっぱり皆、狙った発想になると思うんですよ。そうじゃない、無垢なイメージで作ってくれた曲だから合うんだと思います。

daiさんの中で、意外な使われ方をされていた曲はありますか?

dai:「月うさぎの舞踏」ですね。純真で無垢な、童話の世界のようなものを考えて作ったのに……。

竜騎士07:曲が流れるシーンは、どれもエヴア・ベアトリーチェが魔法で残虐な殺しを繰り返したり、シエスタ姉妹がドッカンドッカンやるシーンばかり(笑)。

一同:(笑)。

竜騎士07:でも、daiさんに「シエスタ姉妹という魔女の上級家具が登場するんだよ」って伝えたら、絶対ああいう曲にはならない。

dai:ならないです。もう少しバトルっぽい感じになってるでしょうね。

シーンを指定しないことで生まれるマッチングが凄いですね。

竜騎士07:あるシーンを伝えたら、音楽家とそのシーンを100%共有できていないとイメージに絶対誤差が生じるんですよ。だからそうしないで、自由に作ってもらう。その中から私がシーンに合う曲を見つけて、それを聴きながら執筆するパターンが多いですね。シーンを書き終わってから曲を作ってもらうことは、稀です。

曲を全部聴いて、シーンにあてはめていく作業は大変そラですね〟

竜騎士07:聴けばインスピレーションが湧きますよ。音楽家さんが一斉に曲を届けてくれる時期は大変ですが(笑)。

今回、曲作りで苦労された点は?

dai:『うみねこ』らしい、西洋系の世界観の曲をもう少し勉強しないとダメなんじゃないかなと思いまして。ラック眼力(※5)さんの曲を耳コピしてみたんですが、私には無理だと思いましたね。やっぱり、技術で追いっかないので気持ちでやるしかないっていう。

最も苦労された採用曲は?

dai「Happiness of marionette」ですね。

竜騎士07:ああ、黄金見つけたときとか、エヴア・べアトリーチエが名前を継承したときの。

dai:これが1番です。

終盤、この曲が流れたとき、最初に聴いたときと違う印象を受けました。

竜騎士07:そうでしょう。今回は、音楽の配置にかなり苦労しました。

皆さんのお気に入りの曲をお聞きしたいのですが。

竜騎士07:あえてdaiさんの曲を外させてもらうなら、やっぱり「miragecoordinator」ですね。プレビュー版ではどんな曲か、イマイチわからなかったんですけど。

dai:つぎはぎな感じでずよね。

竜騎士07:そうそう。凄く良い曲なんだけど、使い道がわからなくて。そうしたら制作のかなり最後の方、ラムダデルタが病んでいるときにはまるシーンがきた。

BT:私が1番インパクトに残っているのは、「あかいくつ偽」。

八咫桜:あー、それ私も(笑)。

BT:ワルギリアとべアトが、戦うシーンに入っている攻撃的な曲ですね。あと、「Haruka」も好きなんですよ。情緒があるというか、雰囲気がたっぷりで。

竜騎士07:全部良い曲だよ(笑)。

daiさんと時火さんは?

dai:「rhythm-changer」ですね。

BT:おしゃれですよね。聴いていて謎が解ける感じがする(笑)。

時火:私はやっぱり、「Happiness of marionette」ですね。

ありがとうございます。エンディングで流れる曲は、毎回変更されるのでしようか?

竜騎士07:あれはたまたまです。シーンの雰囲気に合っていると私が判断したら、既存曲が流れるかもしれません。どんな音楽が上がってくるかは、音楽家の皆さんとの巡り合わせ次第ですしね。

書き下ろしとアニメと『Ep4』の制作状況

今回も、恒例となった書き下ろし(P2~5)を執筆頂き、ありがとうございます。

竜騎士07:いえいえ。これもコミケの特典と同じで、ファンの方々への感謝の気持ちですから(笑)。

魔法に関する内容となってますか、これは誰から誰に向けられたものなのでしょうか?

竜騎士07:そこらへんは、読者の方々のご想像にお任せしたいですね。あれを見て推理の糸口にする方もいるでしょうし、こちらから「こうだ」と言って想像の幅を狭めてしまいたくないんです。

わかりました。次に、『うみねこ』の新たなメディア展開としてアニメ化が挙げられますが、お話を頂いたときのご感想は?

竜騎士07:嬉しいなあ、と思いました(笑)。『ひぐらし』でアニメ作りに関わらせて頂いているので、スタッフさんとはそこで得たノウハウを生かして良い作品になると良いですね、と確認し合いましたね。

時期尚早だとは思いませんでしか?

竜騎士07:それはなかったな。

キャラクターを演じる、声優さ孔の決定にも意見を出されたんですか?

竜騎士07:もちろん。大人勢に関しては、我々があまりにも有名な声優さんたちの名前を次々挙げてしまって(笑)。予算の問題もあるので、オーディションをすることになりました。

『Ep4』の制作進行扶況をお聞きしてもよろしいでしょうか?

竜騎士07:プロットは90%完成しているので、もう執筆すべき段階にいます。残りの10%は、書きながら次第に埋まっていくので、わざとゆとりを残した段階で作るのがいいんです。『Ep3』のラス卜とはまた違った、圧倒的なものが残るといいな。

BT;タイ卜ルは……?

竜騎士07:タイ卜ルは決めてませんが、また考えます。

シリーズ内では、どういう位置づけになりそうでしょうか?

竜騎士07:出題から解答編に行く、中継ぎ編ですね。物語も折り返しになって変わってくると思うので、積み残しのヒントや情報がないように、荷物を積んでいかなきゃならないので、少し多めにTipsがあります。シナリオ的には結構はっちゃけるべきなんだけど、『Ep3』に比べると冷静さが求められるかもしれません。キャラクターの色々な側面が見せられれば良いなと思っています。

Tipsをまとめるために、システムに改良を加える可能性はありますか?

竜騎士07:そうですね、場合によってはちよっとゲームシステム的に変わった挑戦をするかもしれません。実はそれもプロットとちょっと絡んでいるところです。

本格的な修羅場はすぐですね。

竜騎士07:そうですね。今までのエピソードとは装いの違う話になってますので、ご期待ください。

期待しています(笑)。本日はありがとうこざいました。

Footnotes

1: コミケ采場者隈定の特典冊子

その名の通り、 コミックマーケットの07th Expansionブースで『Ep3』を購入したユーザーに配られた小冊子。インタビューでも触れている通り、 ベルンカステルが何者かに宛てた手紙や、竜騎士07氏によるアンチミステリーとアンチファンタジーに関する講釈を収録。

2: クローズドサークル

ミステリー用語の1つ。登場人物が吹雪などにより、外の世界から孤立してしまう状況を、閉じた輪になぞらえてこう呼ぶ。現場から脱出不能なため、殺人が次々と起きてしまうわけだが、魔法を使えば外に出られる……かも。

3: 我孫子武丸氏

推理作家。『8の殺人』でデビューし、多くの作品を執筆。サウンドノベルの名作『かまいたちの夜』のシナリオを担当したことでも知られている。竜騎士07氏とは、『ひぐらし』がきっかけで対談を果たしている。

4: 蔵臼を絞って血を抜くシーン

『Ep2』の「Tea party」でのワンシーン。「白日夢の果て」は、 正確には楼座が兄たちかろ受けた仕打ちを思い出しているシーンで流れている曲。蔵臼が血を抜かれていると判明する頃には、「黒のリリアナ」に変わっている。

5: ラック眼力氏

『うみねこ』に関わる音楽家の1人。「サソリのハラワタ」や「ロウソクたちが踊る」など、オルガン曲を得意としているかと思いきや、ピアノ曲やロックテイストの曲も敷多く作曲しており、作風は幅広い。

*ラック眼力氏のホームペ一ジ:「Luck-Ganriki WEB」

http://www.circletempo.net/ganriki/